2022年

Seminar

日時: January 30 (Mon) 15:00-16:00
場所: Workshop room at CCS/Zoom
講演者: Kouji Kashiwa (Fukuoka Inst. Tech.)
タイトル: QCD相構造の研究における機械学習とトポロジカルデータ解析の応用
概要:
本講演では、QCD相構造の研究における 1. 経路最適化法、2. パーシステント・ホモロ
ジー解析 について発表する。一つ目の【経路最適化法】は、機械学習を利用して経路
積分において現れる符号問題に対処する手法である。具体的には積分変数を複素化し、
符号問題が弱まる積分経路を複素空間に構築する。積分経路の構築において、機械学習
を利用して符号問題を最適化問題に落とし込むことができる点が面白い点である。これ
までに得られた結果を概観するとともに、今後の展望を議論する。二つ目の【パーシス
テント・ホモロジー解析】は、応用トポロジーの分野で近年注目されている手法である。
まずホモロジーとは単体複体を利用して空間構造を分類するツールであり、パーシステ
ント・ホモロジー解析では与えられたデータについてそのホモロジーを利用することで
データ分布の空間構造を明らかにする。この手法は、統計的データ解析やスピン模型に
現れる相転移の研究などに応用されている興味深い手法である。本講演の後半では、パ
ーシステント・ホモロジーの基礎を簡単に説明し、そのQCD相構造研究への応用について
議論する。
日時: July 19 (Tue) 16:00-17:00
場所: Workshop room at CCS/Zoom
講演者: Akio Tomiya (IPUT in Osaka)
タイトル: Lattice QCD with machine learning
概要:
近年、機械学習を用いた格子QCDの数値的研究が盛んに行われている。この講演では、以下の2つのトピックについて議論する。
1つ目は、ゲージ対称性を保つニューラルネットを用いた自己学習ハイブリッドモンテカルロの提案である。ゲージ対称性は
場の量子論の研究において極めて重要な概念であるが、ニューラルネットワークにどう組み合わせるかは不明瞭であった。
講演者は、ゲージ対称性を保ちつつ、フェルミオンと共存できるニューラルネットワークを提案した。そのニューラルネット
ワークをもちいて、自己学習ハイブリッドモンテカルロを実行した結果について議論する。また格子QCDで広く使われている手法
であるGradient flow との関連も議論する。
2つ目は、量子アルゴリズムにニューラルネットを組み合わせた手法による有限温度密度相図の探索である。近年の量子コンピュータ
の発展により、場の量子論を研究するための量子コンピュータ向けアルゴリズムの開発が近年盛んに行われている。 ここでは、
有限温度・密度における量子ゲージ理論を近未来の量子デバイスで使用可能な変分法アルゴリズム(量子古典ハイブリッドアルゴリズム)
を用いてシュウィンガー模型の相図を調べた結果について報告する。

トップ   編集 凍結 差分 履歴 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2022-12-27 (火) 16:12:03