年間を通して週に3回、セミナーがあります。 ひとつは卒業研究につながる素粒子理論のセミナーです。 例年は「An Introduction to Quantum Field Theory」 というM.E.Peskin & D.V. Schroederさんの本を輪講しています (年度によっては変わる可能性があります)。 このゼミではDirac方程式やQEDの基礎などを勉強します。 そして理論物理を選択した場合の必修科目として統計力学と量子力学 のセミナーが週一回ずつあります。 理論を選択したメンバーを2つか3つのグループに分けて、大体7〜8人でやります。 統計力学ではFeynmanの本を使いました(場合により、違うこともあります)。 量子力学では素粒子と同じくJ.J.Sakuraiさんの「Modern Quantum Mechanics」 を読みます。 後者は吉岡書店から和訳が出ており、それを参考にするのもよいでしょう。 どちらも今までの統計力学と量子力学の別なアプローチの方法や、 さらなる高度な内容をやることになります。 あとは特に必修科目などを落としていなければ、1コマ授業が週に5個程度あります。
週3回のセミナーの準備に慣れるまで比較的多忙です。 特にテキストが英文なので逐語訳なんかをしていると大変です。 自分の担当でない所も読まないと前後がつながらず、大変なことになります。 外書講読の授業などで慣れておくのがいいと思います。 教員免許の取得を目指している人はこの時期に教育実習があり、 さらに忙しくなります。 就職希望の人は前年度から既に就職活動が始まっているはずで、やはり忙しいです。 就職説明会でゼミを休まなければならない、何てこともあるかもしれないです。 その時は一緒にやっているメンバーに謝って自分の番を後回しにしてもらいましょう。 進学希望の人は院試の過去問などをとりよせて、とりあえず勉強の態勢だけは整えます。 あとはひたすらゼミの勉強です。 理論物理の4年生には1F307の部屋があてがわれます。いわゆる理論部屋です。 この部屋には机が10個あって、自由に使えるようになっています。 机の数は限られているので、早い者勝ちになります。
就職希望の人はその年の就職状況にもよりますが、年々内定が早く決まってきている ので既に内定をもらっているかもしれません。 しかし今の景気では夏休み中も就職活動に奔走しなければならないかも。 大学院進学希望の人は、本格的に院試の勉強を始めます。 基本的には院試の過去問と今までやってきた物理全般の復習といったところでしょうか。 早いところでは8月の終わりに院試があります。
8月末から9月の頭にかけて院試があり、ここが4年生としてのひとつの山場です。 これが終わると後は基本的に1学期と同じようにセミナーと講義に専念する ことになります。就職希望の人も、大概は内定をもらっているはず。 セミナーも講義もこの学期で終わりです(4年生以外の講義を取ってる場合は別です)。
基本的に総ての授業が終わり、卒業論文にとりかかります。 卒論の題材を決めなくてはなりませんが、それには大抵この1年間で勉強 してきたことの続きから選びます。 何か引かれる題材があればそれを担当教官に言って、テキストを指定してもらいます。 特に希望がなければ担当教官と相談して題材を決めます。 指定されたテキストや論文を読み、内容をまとめて論文の形にします。 2月の頭に卒論の発表会があります。そこでOHPを使って卒論の発表、 および説明を行ない、最後に質問を受けます。この発表時が卒論の提出期限です。 これが終わると4年生としてやることは総て終了したことになり、 フリーな時間となります。